昨今の家庭菜園ブームで野菜や果物を栽培する方が増えました。家庭菜園愛好家の中には無農薬栽培に挑戦する方も多いでしょう。しかし、ご自分の家の庭等で栽培するならいざ知らず貸農園で無農薬栽培は至難の業になります。もちろん無理ではありません。でも農薬を気にする方は多くても何故か肥料の事を気にする方は少ないのです…。
皆さんがホームセンター等で購入する化成肥料の主成分は窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の3元素が主成分とされており、商品の表示に8-8-8とか記載があるのは、窒素リン酸カリウムがそれぞれ8%含まれていますよ、という意味です。
皆さんは、この粒状の化成肥料を畑に蒔いていませんか?
多くの方は「過去に利用したことがある」「現在も利用している」に当てはまると思います。そして、この肥料を蒔く事で良い野菜が収穫できると考えていると思います。
でも、これは当たってもいますが外れてもいます。というのも、作物によって必要な成分バランスが異なる為、過剰に不要な養分を吸収すると様々な問題が発生します。これが大きな問題になるのですね。3元素の中で特に大きな問題となっているのが窒素になります。農作物の化学肥料原材料である窒素は2021年より価格高騰が始まりました。窒素の多くはロシアからの輸入に頼っているのですが、ロシアとウクライナの戦争が始まる以前から価格が急騰していたことは日本ではあまり知られていません。おそらく戦争によって急騰したと考えている方が多いのではないでしょうか。北半球における、2022年夏野菜の作付への危惧は昨年から始まっておりました。日本においても農産物の化成肥料の高騰はすさまじいものがあり、昨年に比べ価格が1.5~2倍程度まで高騰しており今後作物への価格転嫁が進まなければ廃業に追い込まれる農家も少なくないのではないでしょうか?追い打ちをかけるようにこの記事を書いている2022年7月28日現在コロナ第7?が急速に拡大中です。
窒素の話に戻りますが、窒素は土壌中や作物内、人間の体内で変化し毒に代わります。わかりやすい例ではアンモニアでしょうか。アンモニアは毒にもなるとなんとなく感じている方も多いと思います。窒素は化学変化を繰り返し様々な生成される物質を硝酸態窒素と言われます。この硝酸態窒素が様々影響を与え多くの人が感じる感覚の一つに苦みがえぐみがあります。